母へ
そして
今日の夕暮れは
雨とともに灰色の空が暗転してゆく
あなたの人生はもう残り少なく
何色で暮れてゆくのだろう
思えば
僕はずっとあなたに色を決められてきたように思う
これは甘えか
被害妄想か
しかし僕には自分の色を決める
術がなかった
そして気がつけば
僕は自分の人生を失いかけてた
今になって
僕は、あなたの愛情を渇望していたと認めることができる
今になってだ
長い間死んでいた僕は、どうやら自分を取り戻しつつあるようだ
もう僕は
あなたを憎んでもいないし、愛してもいない
そしてあなたは、生まれてからずっとそうであったように
その「頼る心、縋る心」で
ひとりで地獄へ落ちてください