ぼくという種子

ぼくというなにかの種子がありました

 

冬の終わりでしょうか

誰かがぼくを土に蒔きました

 

同じく

多くの種子が土に蒔かれました

 

春が来ました

 

多くの仲間が芽を出しました

ぼくは土の下で硬い種子でした

 

夏が来ました

 

花を咲かせる仲間たち

ぼくは硬い種子のまま

 

秋が来ました

 

実が成る仲間と、遅咲きの仲間

ぼくはずっと種子のまま

 

冬が来ました

 

大きく実り、四季を終えた仲間たち

ぼくは土の下で死んでゆくのでした

 

よかったね

みんなみんなよかったね