ヒトダスケ

君はほんとうにやさしいね

いつもいつもぼくにあたたかい言葉をかけてくれて

 

でもね

その眼に浮かぶ嘲りの色は

やっぱりぼくを傷つけるんだ

 

あなたのそのナイフのような慈悲の心に

いつもぼくは切り刻まれているよ

 

君はいいことをしていると思い

気持ちいいだろうね

 

でもね

きっと君もその心に

悔しさと劣等感を隠し持っている

 

ひとはひとを救うことなんかできない

 

ひとにできるのは

躓いた人間をもっと貶めることだけだ

 

そしてまた明日も

 

君はぼくを切り刻み

君はその心を満たして深く眠る