救われないもの

神は救う命と救わない命を選別する

 

平らな地面からこぼれ落ちたその命は

誰の目にも映らず

手を差し伸べるものもなく

どこまでもどこまでも堕ちてゆく

 

堕ちてゆくいのちは

眼を剥き

声の限りで叫びながら

救いを求め

神に縋りひとに縋る

 

宇宙の底の引力に引かれ

加速度をつけて堕ちてゆくそのいのちは

天を呪い 母を呪い

この世に生を受けたことを心から呪った

 

さようなら母さん

さようなら神様

 

もう二度と

もう永遠に生まれてきません

 

さようなら

さようなら