僕がまだ人間だったころ

僕がまだ人間だったころ

朝目覚めると明るい陽を浴びて

朝ごはんの匂いが楽しみだった

 

僕がまだ人間だったころ

おかあさんがいて

おとうさんがいて

おねえちゃんがいて

おばあちゃんがいて

 

僕がまだ人間だったころ

庭に花が咲いていて

赤い花、青い花、黄色い花

世界には綺麗な色があった

 

僕がまだ人間だったころ

外の空気は澄んでいて

草木は瑞々しい風を送ってくれた

 

そして

僕がまだ人間だったころの

孤独は誰にも届かない

 

僕がまだ人間だったころ

僕がまだ人間だったころ