かなしみ自慢

「わたしはひとより多くかなしみを知っている」

こんなことを言う人がいる

 

実際、その人は多くのかなしみを経験してきた

かもしれない

 

しかし、その経験の裏で知った

多くのよろこびについて、語ることはない

 

なぜ

よろこびよりも

かなしみを見せびらかすのか

 

かなしみを現すことで

だれかの気持ちを繋ぎとめようとしているのかな

 

よろこびを現しても

誰もあなたの元を去っては行きませんよ

 

きっと